ピアノでいえば、音楽は7つの白鍵と5つの黒鍵からできている。
単純にしかわからないけれど、白鍵をつなげた全音の間に、基本的には「補助機能」のように半音を奏でる黒鍵が置かれてる。(厳密には、全音/半音の意味は違うかな。。。)
そこで、その合わせて12の音を、それぞれ分け隔てなく均等に扱おうと考えた人がいる。その音楽が12音技法、そしてその人が、ベルク、ヴェーベルンらとともに新ウィーン学派を形成した師、アルノルト・シェーンベルク。
12音技法はやがて無調音楽へとつながってゆく。そんな道筋を切り拓いた人という意味で、ボクにしてみれば、シェーンベルクはA級戦犯だ。
無調音楽はさっぱりわからない。たしかに悲しみや怒りの表現には適していることもあるかもしれない。たしかに一粒の音の美しさに陶然とする瞬間もあるかもしれない。
けど、じゃあ喜びはどうだろうか、なんて意地悪く思ってみたりする。。。
それでもなお、彼の「浄夜」は美しい。
調性が崩壊する以前の作品。崩壊していない危うさの中にこそ存在する美しさ。ただし、かなりの部分は暗く陰湿な感じがするけれど。
むしろオーケストレーションされていない弦楽六重奏にこそ、音の厚みを感じることができる。素人の戯言だけど、昨日一日降り続いた雨に浄められた夜に思うこと。。。